WSP

Q&A

鋼管が耐震管とされている理由を教えてください。

溶接鋼管は, 一様伸びが20%以上あり, また5%以上の圧縮ひずみに対しても亀裂が生ずることのない優れた変形特性を有する材料です。また, 内外面塗覆装についても溶接鋼管の変形特性に近いかまたは同等の変形性能の有することが実験により確認されています。

このように溶接鋼管は, 弾性限界を超え塑性域に達しても通水機能が確保され, かつ地盤変形への追従性を有する特性を持っていることから, 耐震設計に際しては鋼管の優れた変形特性を十分に活かす安全性の照査方法として許容ひずみによる方法が採用されています。この許容ひずみによる照査方法で用いられている塑性設計の考え方は国内外の他, ガス導管等の指針でも広く採用されている方法となっています。

また, WSP029「水道用埋設鋼管路耐震設計基準」によれば, 地震動レベル2における鋼管の発生ひずみは, 許容ひずみに比べて小さく, 地震動レベル2に対しても鋼管の耐震性は十分に余裕があることが分かります。 この計算例を図-1に示します。

地盤震動計算結果
設計条件 地盤条件
内圧 Pi: 1.2 MPa
自動車荷重: T-25
温度変化 ΔT: 15℃
土被り
700A~1200A h: 1.2m
1350A以上 h: 呼び径/1000m
表層地盤の固有周期 TG: 0.1~5.0 sec
(鋼管発生ひずみが最大となる固有周期を採用)
表層地盤厚さ Hs: 50m
土の単位体積重量 γt:18kN/m3
N値: 2
管番号 呼び径 管外径
Do(mm)
管厚
t(mm)
1 700A 711.2 6
2 800A 812.8 7
3 900A 914.4 7
4 1000A 1016 8
5 1100A 1117.6 8
6 1200A 1219.2 9
7 1350A 1371.6 10
8 1500A 1524 11
9 1600A 1625.6 12
10 1650A 1676.4 12
11 1800A 1828.8 13
12 1900A 1930.4 14
13 2000A 2032 15
14 2100A 2133.6 16
15 2200A 2235.2 16
16 2300A 2336.8 17
17 2400A 2438.4 18
18 2500A 2540 18
19 2600A 2641.6 19
20 2700A 2743.2 20
21 2800A 2844.8 21
22 2900A 2946.4 21
23 3000A 3048 22

地震動レベル
図-1 応答変位法による鋼管発生ひずみ

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