WSP

Q&A

推進用鋼管について教えてください。

水道管の地下埋設に際しては, 交通量の多い道路, 河川などの横断箇所など, 特に市街地内では種々の制約を受けることから, 開削工法の採用が困難である場合が多くなっています。このような場合には, 水道用推進用鋼管を用いた推進工法が有効であり, 工事費の削減, 工期の短縮に役立っています。また, 中押し工法も利用した長距離推進も可能となっております。水道用推進鋼管は, 水輸送用塗覆装鋼管(本管)と外面塗装保護用鋼管(外装管)との二重管構造で形成されており, その間隙にモルタルまたはコンクリートを充填しています。水輸送用推進鋼管は, 外装管の継手構造・形式および二重管の間隙充填剤により, Ⅰ型およびⅡ型の2種類に区分されています。 なお, 口径はWSP 018「水道用推進鋼管設計基準」により350A~3,000Aまで規格化されています。表-1に型式の区分を, また図-1, 図-2に構造図をそれぞれ示します。

表-1 型式区分表
型式 外装管の継手構造 外装管の継手形式 二重管の間隙充填剤
Ⅰ型 2分割鋼管 溶接接合 モルタル
Ⅱ型 複数分割セグメント ボルト接合 コンクリート

標準構造図
継手部詳細図
図-1水道用推進鋼管構造図(Ⅰ型)

標準構造図
継手部詳細図
図-2水道用推進鋼管構造図(Ⅱ型)

推進鋼管の特徴は, 以下のとおりです。

  1. 継手部は溶接構造を用いているため, 高い水密性が確保できる。
  2. 二重構造の本管と外装管の間隙は, モルタルまたはコンクリートを充填し一体化されているため, 十分な強度を持ち推進時の断面変形が小さい。
  3. 本管と外装管が一体化されているため, 本管の外面塗覆装が推進時に損傷することがない。
  4. 他推進工法の管種に比べ, 管の外径が小さく軽量であり推進力やその他の設備が軽減でき経済的な工法である。
  5. 溶接一体構造管路として, 鋼管の優れた変形特性を有する耐震性の高い管路となる。
  6. 単管長の標準は4mおよび6mとしているが, 施工箇所の状況に応じて短くすることが可能。
  7. 中間ジャッキユニット鋼管を用いることにより長距離推進が可能。
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